実は不足の少ないたんぱく質
単なるエネルギーオーバーに気を付けましょう!
FitEat30代
GeneLifeの遺伝子検査と個人の食事記録より、個別の栄養アドバイスを行っています。性・年代別によく拝見するパターンをご紹介していきたいと思います。
基本 情報 |
・30代 女性、仕事や家では座っていることが多い | |||||
・標準~ややぽっちゃり体型、体脂肪率がやや高め | ||||||
・ダイエット型肥満遺伝子タイプ:りんご型 | ||||||
食生活 | ・プロテイン+豆乳のみの朝食 | |||||
・間食・デザートの習慣化 | ||||||
・野菜を食べる量が少なめ | ||||||
改善点 | ・定食型の食事 | |||||
・朝食をとる、間食を控える | ||||||
・不足栄養素の充足 | ||||||
1.ビタミンA、2.ビタミンD、3.ビタミンC |
りんご型の食事のポイント
過剰となった糖質が脂肪となり特に内臓につきやすい傾向があります。
しかし極端な糖質制限を行うと、糖質の代謝にも関係するマンガンが不足してしまいます。3度の食事にマンガンの補給ができるごはんや玄米など(140~150g/食)を主食として取り入れましょう。
食べ方のアドバイス
たんぱく質は体の構成成分ですので、不足すると疲れやすくなったり、筋肉量が減少してしまう恐れもあります。基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼させるには適度な筋肉が必要です。ただ、プロテイン飲料を別途とらなくても食事で十分にとることができます。三度の食事に+αのプロテイン飲料などを摂ることで摂取エネルギー量が多くなり、ダイエットには逆効果であることも。良質のたんぱく質(大豆・大豆製品・魚介類・赤身の肉・鶏ささみなど)を食事に取り入れるましょう。フライドチキンやクリーム系のパスタは脂質過多に繋がりますので控えましょう。
野菜や果物に含まれているビタミン・ミネラルなどの必須栄養素量が不足すると、円滑な代謝が出来なくなり脂肪燃焼効率が低下することも考えられます。加熱することでカサが減り摂取量を増やせますので、煮物や蒸し野菜も取り入れ、毎食1品は野菜のおかずが入るように心がけましょう。
たんぱく質は適量摂取を心がけましょう
厚生労働省の令和元年「国民健康・栄養調査」では、たんぱく質の摂取量は1~6歳以上でどの世代でも60g以上と、不足は見られないという結果となりました。
ですが、昨今「不足しがちなたんぱく質」と謳い、たんぱく質をより摂取すべきだと促しているように感じます。プロテイン飲料には、たんぱく質だけではなく、ビタミン類も含まれることから、体にいいものという印象もあり、これを飲めば栄養素が充足するといった認識もあるようです。
たんぱく質の摂取量と筋肉の増加を調べた研究では、1日の体重あたりの総タンパク質摂取量が1日体重1kgあたり1.3 g(体重が50kgの方では65g/日)を超えると、筋量増加の効率が悪くなり、筋トレを行っている場合では、総タンパク質摂取量が1日体重1kgあたり1.3 gを超えても筋量増加の効率が落ちないことが明らかとなっています。※1
ボディメイク目的でプロテインを利用し、たんぱく質の摂取量を増やすのであれば、筋トレを並行して行ったほうが効率的なようです。
たんぱく質をとりすぎると・・・?
日本人の食事摂取基準では、たんぱく質の耐容上限量を策定しうる明確な根拠が十分には見当たらず、耐容上限量は設定されていません。※2
たんぱく質摂取量が1.0〜1.5g/kg体重/日の範囲内にあれば、不足あるいは過剰のいずれの 危険性も少ないと考えられているのが現状です。
バランスよく食べるダイエットをしましょう
三大栄養素といわれる炭水化物・たんぱく質・脂質、どれか1つに極端に偏るよりも、やはりバランス食をおすすめします。継続して食べる食事を心がけると、炭水化物を全く摂取しないことは現実的ではないように感じます。ビタミン・ミネラルが不足すると炭水化物やたんぱく質の代謝にも悪影響となりますので、主食・主菜・副菜2品または副菜1品+汁物が理想的です。
【参考文献】
※1 Ryoichi Tagawa, Daiki Watanabe, Kyoko Ito, Keisuke Ueda, Kyosuke Nakayama, Chiaki Sanbongi, and Motohiko Miyachi
Dose–response relationship between protein intake and muscle mass increase: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
DOI: https://doi.org/10.1093/nutrit/nuaa104
※2 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
(管理栄養士 坂井)