カラダのはてな

疲労・ストレスに負けない食事法

経済損失は1.2兆円!油断大敵「疲労」

 日常生活が送れないほどの重度の疲労感が続く「慢性疲労症候群(CFS)」という疾患をご存じでしょうか。30年ほど前に厚生労働省に労働調査研究班が発足、診断基準が作成され、病因・病態の解明に向けた活動が行われているようです。この研究班の調査では一般地域住民3000人程のうち、1/3以上が半年以上続く慢性的な疲労を感じており、その半数が日常生活や社会生活に何らかの支障をきたし、CFSも0.3%存在していることが示されました。この結果を基に慢性的な疲労によって引き起こされる経済損失を算出したところ、医療費を除いて年間約1.2兆円に及ぶことが判明したという報告もされています。※1

疲労の原因、5つのストレス

 CFSとまでいかなくとも、身体的な疲労を感じる就労者の割合は約70%と高く、性・年齢別にみると男性は40~49歳(77.1%)、女性は30~39歳(78.0%)で最も高いです。※2 忙しさにかまけて無理を続けた結果、身体的な不調を感じ始めるのが40代男性、女性は結婚、出産や育児、仕事など環境変化の大きい30代で疲労を感じるようになるのではないでしょうか。疲労のメカニズムは解明されてきているようですが、その原因になるのは「ストレス」で下記5つに分類され、①が最たる要因と言われています。※3

①精神的要因:人間関係、仕事上のトラブル、近親者の死亡 など
②身体的要因:過重労働 など
③物理的要因:紫外線、騒音、振動、温熱・寒冷 など
④科学的要因:アルコール、たばこ、有害化学物質、環境ホルモン など生理活性物質
⑤生物的要因:細菌、ウイルス、カビ、ダニ など

防御機能をむしばむストレス

 私たちの体は外敵にさらされると内分泌系、自律神経系、免疫系を総動員して防衛にあたります。今、まさに困るのがストレスの影響による免疫系の低下。免疫機能はストレスの影響を受けやすいのです。また、免疫系で働く生理活性物質が脳にも影響を与え疲労感のみならず、不安や抑うつといった不定愁訴をもたらすと示唆されています。自律神経系により胃の運動や胃酸の分泌減少、胃粘膜の血流低下がおこることで、機能的に食生活に悪影響がおこります。

疲労に負けない食べ方は?

 疲労の最たる原因は人間関係や仕事上のトラブルといった精神的なストレスによるもの。このストレスをシャットダウンできればベストですが、社会生活を送る上では中々難しいのが実情かと。そこで少しでも「疲労」を溜めないよう、日々の食事に目を向けてみましょう。ポイントは「血糖コントロール」です。
 
 朝食は欠食、昼食はぱっと食べられる麺類や丼もの、コンビニのおにぎり・菓子パン+ヨーグルト。デスクにかじりつきながらのお菓子の「ながら食い」。オフィスでよくみられるパターンですが、これが食後の短時間に血糖値が急上昇、急降下する「血糖値スパイク」を招きます。昼食後に強い眠気や疲労感に襲われるというのは、この血糖値スパイクが関連していると示唆されています。そこで、血糖スパイクを防ぐ食べ方を体得しましょう。

1)朝食はなるべく欠かさない
 朝食を抜き、空腹で迎える昼食。ここで上記のような丼もの、麺類をかけ込むことで、血糖値スパイクが起こります。また、朝食の内容にも注意。おにぎりやシリアル+野菜ジュース、では糖質の比率が高くなってしまい、ここでも血糖値スパイクが。食べないよりは「まし」ですが、ここにゆでたまごを1個プラスするだけで「悪くない食事」に。卵以外にもチーズや豆腐といったたんぱく質を一緒にとることがポイントです。


2)食べる順番に注意してよく噛む
 だいぶ浸透してきたように思いますが「べジファースト」。食物繊維の多い野菜を先に食べることで、糖質の吸収を抑えられます。が、駆け込むように食べ続けていたらその恩恵は得られません。フレンチのコースのようにゆったり食べられればベストですが、せめてよく噛んで時間稼を。咀嚼(噛むこと)とストレスの関係性も示されているのです。ランチに出る前にトマトジュース1本(200ml)を飲むのもおすすめです。


3)間食も上手に活用
 終電で帰宅後、夜中にガッツリごはん。ランチからの間隔が空き過ぎるのも血糖値スパイクを招いてしまいます。こんな時は昼食から4時間後(13時にランチをしたら17時)に間食を。おにぎりや具だくさんのカップスープなどがおすすめです。注意したいのはこれらをプラスした分、帰宅後の夕食でこの分を差し引くこと。帰宅後の食事は脂質の多い肉類は避け、鶏の胸肉・ささ身肉、豆腐や白身魚を。主食はおかゆやうどんを。これらは消化が良く、消化管の負担軽減に。これからの季節、鍋物がおすすめです。こってりごはんは週末のお楽しみと割り切りましょう。

おすすめの間食

   夕食が遅くなるならば、是非とも活用したい「おやつタイム」。ただここで甘いものを選んでしまってはまたもや血糖値スパイクが起こり逆効果。メタボが心配に。おにぎりやカップスープで深夜の食事を「分食」するのがベスト。が、夕方にデスクでモリモリ食べるのはちょっと、という時におすすめなものをご紹介。
 
1)干し芋
  食物繊維が多く、また、葉酸やビタミンCなどを含み、噛み応えのある優れもの。

2)カットフルーツ
  食物繊維、また、ストレス負荷により消費されるビタミンCが補えます。

  コンビニで小袋入りや冷凍ものも入手可能に。
3)ナッツ
  
良質な脂質を多く含み、血糖値スパイクを起こしにくい。無塩の素焼きを! 
 


【参考文献】
※1 厚生労働省 疲労研究班 「慢性疲労症候群の実態調査と客観的診断法の検証と普及」
  (最終閲覧日2020/10/20)
   https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/fatigue/fatigue02.html

※2 厚生労働省 平成14年労働者健康状況調査の概況「身体の疲れ及び精神的ストレス等の状況」
    (最終閲覧日2020/10/20)
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/saigai/anzen/kenkou02/r1.html

※3 厚生労働省 特定保健指導の実践的指導実施者育成プログラムの開発に関する研究
    「食生活改善指導担当者テキスト 生活指導及びメンタルヘルスケア」
   (最終閲覧日2020/10/20)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-03.pdf


(管理栄養士 柳澤)

人気の遺伝子検査キット・特集

特に人気注目が高い検査キットや特集をピックアップしました。


 


人気No.1の遺伝子検査キット Genesis2.0


 


自己分析遺伝子検査キット Myself2.0


 

検査キット一覧はこちら