カラダのはてな

食材:フリーシュガー(遊離糖類)について

悪行が次々に報告「フリーシュガー」

私たちのエネルギー源になるものはたんぱく質、脂質、炭水化物。その中で、敵視されるのは脂質と炭水化物。

近年、これらはその質(種類)が着目されるようになり、脂質に関してはWHOや各国ごとのガイドラインに細分化された基準が定められ、DHA、EPAといった「良い油」がすっかり浸透しました。ところが、炭水化物に関しては細分化されたガイドラインがなく、「炭水化物抜きダイエット」のように「炭水化物」自体が悪者扱いです。そんな中、WHOは2015年にフリーシュガー(遊離糖類:食品加工又は調理中に加えられる糖類)を総エネルギーの10%未満、望ましくは5%未満または約25g(大さじ3弱)に留めること、という基準を示しました。※1

以前からフリーシュガーの代表格「砂糖」は過体重、肥満、う歯(虫歯)の元凶で、ダイエットでも敵視されていましたが、10%未満に保つことでこれらのリスクを確かに軽減できる、と示されました。また、フリーシュガーに関して最近では、注意欠陥多動症(ADHD)、双極性障害、炎症性腸疾患など、様々な疾患への関与が報告されています。※2※3

どれくらいとってる?フリーシュガー

実際にどれくらい「摂取」しているかは厚労省の国民栄養調査をみればよいのですが、この調査では栄養素は炭水化物のみ対象、食品としては砂糖・甘味料、菓子、嗜好飲料という項目建てで推測が困難です。そのため、どれくらい砂糖の「消費」があったかという農水省の「食糧需給表」から推測するしかありません。最新の2018年のデータでは国民1人1日当たり供給熱量は191.5kcal。※4 先のWHOガイドラインでは、例えば女性(2000kcal/日)の場合、10%は200kcal、5%は100kcal以内ということになり、この値をみると10%以内はクリアできそうですが、5%以内となると難しいです。

また、この消費量というのは平均的なものです。個人差は大きく、例えば実際に食事アドバイスを行っていると女性で摂取量が1600kcal/日程度、朝食に菓子パンを食べている方もいますが、そうなると、優に10%を超えてしまいます。炭酸飲料類は1本(500ml)で225kcal(単糖当量56.5g)、日常的に摂取しているともうこれだけでオーバーです。また、料理でも喫茶店風ナポリタンなどはケチャップを50g/人(単糖当量12.2g)使用、砂糖大さじ4も潜んでいることになるのです。

敵?味方?甘味料

はちみつ、ブラウンシュガー、黒糖、メープルシロップ。白い砂糖よりは健康的なイメージで何となく選んでいないでしょうか。これらはいずれも残念ながらフリーシュガーです。ただ、砂糖にも調理学上の利点はあり、親水性による肉のやわらかさ、卵白の泡立ちの保持、すし飯などではでん粉の老化を防止、また発酵促進や熱凝固性による口当たりの向上など、極端に砂糖を減らし過ぎると「おいしさ」や食の多様性に大打撃です。また、砂糖にはストレス緩和効果があるのも事実です。※5

マクロビオティックの食事法では栄養学(西洋医学)にはない「陰陽調和」の思想で食材を使い分けています。甘味は陰性で、調和をとるのが難しいため基本的には用いない。用いる場合は原料により、米あめ、甘酒、メープルシロップ、甜菜糖、本みりんなどを選択。栄養学的にみても、砂糖は極力用いず、基本的には食材の持ち味を生かす、という点は学ぶべきものと思います。また、WHOも生鮮果実や野菜、牛乳中に含まれる天然の糖は摂取による有害影響を裏付ける根拠がないため対象にしないとしています。

遺伝子も関与「甘いものの摂取傾向」

脂肪細胞から分泌されるレプチンやアディポネクチン(ホルモン)。これらに関与する遺伝子の多型により、甘いものの摂取傾向があるというユニークな研究があり、弊社の遺伝子検査でも採用しています。遺伝子のせいなら仕方ない、と本能に従われては元も子もないのですが、その志向性も踏まえ、ベネフィットを天秤にかけWHOの推奨範囲内で「おやつ」は楽しみ、調理では食材の甘味を最大限に活かす工夫、その味を感じ取れる味覚を保持したい、と自身にも戒めたいところです。砂糖は「悪」ではなく使い方次第、万人に絶対的に悪い食材もなければ、良い食材もないのでは。全ては個々人の「適量」を守ること、また、「特別な日(ハレの日)」に限るなど、頻度を守ること。自身の適量を把握し、コントロールしていただきたいものです。

【参考文献】
※1 WHO「Guideline: sugars intake for adults and children」(最終閲覧日2020/10/22)   https://www.who.int/publications/i/item/9789241549028

※2  Richard J.Johnson, William L.Wilson, et al. Fructose and uric acid as drivers of a hyperactive foraging response: A clue to behavioral disorders associated with impulsivity or mania?
DOI:https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2020.09.006

※3 David C. Montrose, Ryohei Nishiguchi, et al. Dietary Fructose Alters the Composition, Localization, and  Metabolism of Gut Microbiota in Association With Worsening Colitis.
DOI:https://doi.org/10.1016/j.jcmgh.2020.09.008

※4 農林水産省 平成30年度食料需給表
(最終閲覧日2020/10/23)
file:///C:/Users/yanagisawa/Downloads/h001-30-a2.pdf

※5 独立行政法人農畜産業復興機構 月報 砂糖類・でん粉情報2016.7 「砂糖の栄養」
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001320.html

 

(管理栄養士 柳澤)

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